【徒然読書日記】 その10 命売ります
日本文学を語るのであれば触れないわけにはいかない三島由紀夫の作品。代表作としては「金閣寺」などの方が有名かと思うが、本作は非常に読みやすく三島由紀夫をあまり読んだことがない人の入門書としておすすめ。
生きる希望をなくした男が、どうせ死ぬならと命がけの商売を始める。
浮気症の妻と関係をもってくれ、薬の実験台、吸血鬼の食事等など。
命は要らず、金は要らず、名誉も要らず。ただただ依頼を達成するために努める男は無謀な振舞いにもかかわらず、生きて依頼を達成していく。その中身はコメディ的で思わず笑ってしまうような場面もちらほらあります。
これから死にに行くという時に「只今品切れ中」とは!
「死ぬ気になればなんでもできる」、「うだうだ悩まず行動しろ」
そんな叱責のようなメッセージが聞こえてきます。