【徒然読書日記】 その56 神の雫

 

 

前回は珈琲マンガでしたが、今回はワインマンガです。

大筋としては著名なワイン評論家の息子が、父親の死に際してワインコレクションを継ぐために、ワインに対する評価からどのワインかを当てる試験を受けるというもの。ワインの評価も木漏れ日や海といった自然を用いた表現が多く、そこから国や製造事業者、製造年まで絞り込んでいくという神業のような技能です。

 

本作の見どころは何といっても、ワインの味や香りに対する描写の緻密さです。豊かな表現によって描かれるワインがいったいどんな味をしているのか想像を掻き立てられ、もともとさほどワインを飲むわけでもなかった私も最近はワインばかり飲んでいます。タンニンの渋さが苦手に思っていましたが、ちゃんと種類を選べばまるでコーヒーのようなコク、深みを味わうことができ、いろいろな種類を比べる楽しみを知ることができました。

 

嗜好品を楽しむにはまず、興味をもつことから!

この作品を見て、こんな表現をされるこのワインは一体どんな味わいなんだろうと思ってもらえれば、ワインを楽しむ第一歩となってくれる一冊だと思います。

 

この作品の続編「マリアージュ」といものもあり、こちらはワイン単独だけでなく食べ物との食べ合わせを扱っています。