【徒然読書日記】 その49 アルケミスト

 

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

 

 羊飼いの少年はピラミッドに隠された

宝を見つける夢を見て、宝探しの旅に出る。

 

最初は「前兆に導かれる、宇宙を味方にする」

などのスピリチュアル的な表現や夢を理由に

旅に出るストーリに違和感を覚える人もいると思う。

 

けれど私がこの物語から受け取ったメッセージは、

夢に向けて進んだ過程こそ大切なものであり、

その原動力となる「夢」は、たとえ荒唐無稽だと

しても追うべきものだということだ。

 

旅の途中で少年は得たものを失う時も、富を

築き得る瞬間もあった。

けれど少年は富に満足せず、夢を追い続けた。

そして旅の果てに少年は多少の富を得るよりも

大切な人生の芯となる生き方を得た。

 

夢を追うことそのものが人生を豊かなものに

する。そして、苦境にあっても考え方一つで

人は絶望にも希望にも揺れる。ある種幻想的な

物語を通して、前を向いて進むことを教えて

くれる。

これはそんな物語です。