【徒然読書日記】 その43 贋作・桜の森の満開の下
贋作は「にせさく」と読みます。
以前紹介した坂口安吾の作品「桜の森の満開の下」のパロディー的な作品。坂口安吾アンソロジーといってもいいかもしれない。タイトルは「桜の森の満開の下」ですが、メインの登場人物は「夜長姫と耳男」から出典しており、こちらの要素の方が強いです。
【徒然読書日記】 その21 夜長姫と耳男 - Tatarianasterのブログ
満開の桜の下、果て無く広がる世界のどこかから異なる世界の住人たちが迷い込んできた
そんな風に夢想してしまったのは私だけでしょうか。
複数の坂口作品のキャラクターが登場し、原作のセリフなども引用しながらオリジナル展開で話は進む。私は2作品しか分かりませんでしたが、他の安吾作品からも出典している登場人物がいるかもしれません。未読の安吾作品を読んでみようという興味も湧いてきました!
原作2作を下地として、安吾作品の幻想的な世界観と無常さをうまくオマージュしており、古典作品に新しい息を吹き込んでいます。こういった作品との出会いがあると、一層読書の楽しみに引き込まれます。
小説もだが舞台化についても非常に気になる作品。言い回しが劇調なので、舞台で非常に映える作品だと思う。DVD化希望!!
2018年に公演されていたのを見逃してしまったのだが、最近再上映されたのでそちらについても近日中にブログに載せたいと思います。