【徒然読書日記】 その52 花守の竜の叙情詩
妾の王子と亡国の王女。
王道ファンタジー。
全3巻という手ごろな量でありながら、非常に完成度が高い。
侵略国の王子と侵略された亡国の王女の恋物語。
人界に干渉する神、兄に恋心を抱き嫉妬に狂った妹、
人の悪意に入り込む悪魔、神に仕える銀竜など多くの
関係の中で二人は互いを愛していく。
互いを守るために、国を超え神々の闘争に巻き込まれることと
なった二人は記憶を奪われ、人であることを奪われ
さまざまな苦難に苛まれる。
物語の大半はそういった苦痛が大半でありながら、
お互いへ向ける愛情がゆえに耐え忍ぶ。
その献身の姿は胸を締め付けるような感動を与えてくれる。
愛情を深めていく過程と、それゆえの苦しみの描写が丁寧で
ライトノベルとは思えないほど、感情移入ができる作品でした。
これまで読んだライトノベル作品の中でも屈指の切なさと
感動を与えてくれた物語でした。
個人的におすすめの感動系ライトノベル
松山剛 雨の日のアイリス
紅玉いずき 人喰い物語シリーズ
こちらも近々ブログに載せたいです。